こんにちは。
しろあとです。
このたび、わけあってゲーム依存に関する研修を受けてきました。
たまたま私の生活圏内で、この世界では有名な先生が公演することを知りました。
私の仕事にも少し関係する分野でしたので、興味本位で受講してきました。
今回はゲーム依存に関して私が学んできたことを記事にしてみました。
受講した結果、
「ゲームやネットは仮想にすぎず、人間はどこまでもリアルな世界でしか生きられないんだ」
ということを強く感じました。
それではどうぞ。
そもそもゲーム依存とは?
ゲーム依存とは
「依存行動+その行動による問題」
がある状態を指します。
依存行動をもっと具体的にいうと、
「○○のことで頭がいっぱい」
ということです。
ですが、頭がいっぱいなだけでは、条件にあてはまりません。
その行動を繰り返すことで問題が生じている必要があります。
たとえば、学校にいけない、仕事にいけない、などは問題が生じています。
そのほかにも睡眠不足、栄養不足、運動不足など、健康を害している状態も問題が生じているといえるでしょう。
ゲームの種類は、そのほとんどがオンラインゲームだそうです。
オンラインゲームは、22時待ち合わせが常識であるそうです。
やはり自分ひとりでプレイするよりも、人とのつながりを求める傾向があるそうです。
現実からの逃避の意味も込めて、バーチャルな世界に閉じこもり、その世界で活躍することでリアルの世界では得られない充足感を獲得し、他者からの承認を得るといった構図です。
ちなみにゲーム依存は、
「ゲーム行動症(gaming disorder)」
という名称で定義されていくそうです。
男女比は10:1で圧倒的に男が多いようです。
平均年齢は、18~19歳。
人気のゲーム
ゲーム依存患者がプレイしている主なゲームがあります。
- マインクラフト
- 荒野行動
- フォートナイト
- 原神
- スターレイジ
- カラフルステージ
ゲーム依存患者の全員がこのゲームのいずれかをプレイしているわけではありませんし、これらのゲームをプレイすることでゲームに依存的になるわけではありません。
事態はもっと複雑です。
ちなみに私がこれまで会った人の中には、「パワフルプロ野球」に激ハマりして日常生活に支障をきたすようになったゲーム依存者がいます。
依存がつくられるメカニズム
依存がつくられるためには、脳に快楽物質が流れる必要があります。
- タバコ
- アルコール
- 覚せい剤
- 危険ドラッグ
- ゲーム
- ギャンブル
これらは楽しい、心地よい、気持ちいい、といわれるものです。
これらを使用している最中、われわれ人間の脳には快楽物質が流れます。
ある行動をしていて、
「楽しい」
と感じると、脳からドーパミンという快楽物質が分泌されます。
そうすると、人間は再び快楽物質を出そうとして、楽しいと思えるその行動を繰り返します。
しかし、ドーパミンにも慣れというものがあります。
常にドーパミンが大量に出ている状態が普通になってしまっているので、少しでもその行動をやめると不快な気分になります。
この不快な気分が、いわゆる
「離脱症状」
です。
「報酬欠乏症候群」
といいます。
快感物質が全然足りないのです。
すると、快感を求めてさらにその行動が増えることになります。
こういった負の流れが構築されてしまうのです。
ゲームに限らず、タバコもアルコールも、低年齢からの使用が依存しやすいです。
ゲーム依存者の心理
これはとても驚いたことなのですが、ゲーム依存者はゲームをしていても楽しくないというのです。
最初は楽しかったのですが、次第に楽しさよりもゲームをしないと嫌な気分になるそうです。
ドーパミンを求めてゲームをしているわけですが、ゲームではもちろん失敗や負けなどうまくいかなことも多いです。
そのたびにイライラします。
そのイライラを打ち消すかのごとく、さらにゲームにのめりこむようです。
たしかにまるで仕事のごとくゲームを長時間やらされても楽しくありませんね。
仕事の失敗を仕事で取り戻すことも大事ですが、たまにはリフレッシュして別のことをするのも大事です。
ゲームのイライラをゲームで解消しても、うまくいきそうにはありませんね。
また、ゲーム依存者はちょっとしたきっかけで、ゲームやネットをしたくなります。
ゲームに関連するものを見ると、たとえそれが画像であっても前頭葉と線条体が活性化します。
前頭葉は理性をつかさどり、線条体は欲望をつかさどっている脳の部位です。
つまり、理性と欲望が葛藤しやすい状態が作り出されてしまうのです。
前頭葉は成人になって、線条体は思春期になって完成します。
島皮質(感情、感覚、欲望)の部位が、ネット依存で死滅することも明らかになっています。
脳が未発達な子どもが、ゲームやネットの誘惑に打ち勝つのは、より困難なのです。
ゲーム依存で生じる問題点
身体・健康面
体力の低下、骨密度の低下、低栄養状態、腰痛、エコノミークラス症候群などが生じます。
運動しないので空腹にならず、食事をとらないことで低栄養状態に陥ることが多いそうです。
特に骨密度の低下が目立つケースが多いようです。
たとえカルシウムをとっていても、運動と太陽の光が足りていないので、骨が十分に育っていないようです。
韓国では、ゲーム依存者がエコノミークラス症候群で死亡する事例があります。
ずっと同じ姿勢で座っているので、血液がドロドロになり、血栓ができて死亡したようです。
精神面
睡眠障害、昼夜逆転、ひきこもり、精神疾患などが生じます。
ゲーム依存患者はバトルゲームにハマっていることが多いようです。
夜中までバトルゲームをやっていて、生きるか死ぬかの狭間をさまよっています。
交感神経が昂ぶりまくっています。
そんな中、「さあ寝ましょう」とはなれません。
さきほどまで戦地にいたのですから、すぐにリラックスできるわけもなく、睡眠困難が生じるのです。
また、交感神経が高ぶると、消化機能が抑制されます。
そのため食事をする気になれないということにもつながるそうです。
す。
学業面
遅刻欠席を頻発、成績低下、留年退学、勤務態度不良、解雇。
経済面
浪費、多額の課金、多額の借金。
家族・対人関係面
家庭内での暴力暴言、友人関係の悪化、友人関係の悪化、浮気、不倫、育児放棄。
以上でみてきたように、ゲーム依存は身体面への悪影響が著しいです。
そのため、ゲーム依存者を治療する際には、いきなりゲームのことについて言及するのではなく、身体面からアプローチします。
運動していない、睡眠がとれていない、身長が伸びていない、痩せすぎ、太りすぎなどの健康面が心配だから、病院にいく。
こういったロジックで病院受診を勧めていくようです。
ゲーム・ネット依存の背景
やはり現実生活での不適応、生きづらさ、逃避などが背景にあります。
バーチャルな世界で自身の有能感や他者からの尊敬、自己承認を得ようと躍起になります。
また、事態を複雑にする要因にADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)があり
ます。
ADHDとは、多動性、衝動性、不注意を主とする発達障害です。
この中でも衝動性が、スマホやゲームへの依存リスクを高めます。
なんでもかんでも衝動的に行動してしまい、対人不適応を起こしやすく、注意叱責を受ける機会も増え、ゲームやネットの世界に逃げ込みやすくなります。
ASDは、コミュニケーションや限定的なこだわり、想像力の欠如を主とする発達障害です。
見通しのもてなさや暗黙の了解、空気を読むということがわからず、自身のこだわりも相まって現実生活で不適応感をいだきやすく、ネットやゲームに依存しやすくなります。
また、愛着障害も背景にあります。
人のことを心から信用できなくなり、家族や友達からのサポートの乏しさから、ゲームやネット
などバーチャルな世界に逃げ込みやすくなります。
ネズミの楽園実験という興味深い実験があります。
この実験では、仲間と自由に交流できるネズミと、一匹ずつ檻に入れられて孤立させられたネ
ズミの双方に、甘くしたモルヒネ水を与えました。
そうすると自由に交流できるネズミはほとんど飲みませんでしたが、孤立させられたネズミは好んで水を飲みました。
仲間との交流という楽しみが、薬物依存を阻止したのです。
また、薬物漬けにしたネズミを、仲間と交流できる場所に移したところ、ほかの仲間とも頻繁に交流するようになり、モルヒネ水ではなく普通の水の飲むようになりました。
これら実験は、人であっても仲間との交流の大事さを示唆しています。
ゲーム・ネット依存の発症仮説
ゲームやネットの依存の発症には、【促進要因】と【抑制要因】があります。
促進要因が多く、重たければ発症しやすくなります。
抑制要因が多く、重たければ予防や改善につながります。
それぞれ重い順に列挙します。
促進要因
1 愛着障害
2 ゲーム自体にあるハマる仕組み
3 本人のハマりやすい性格
4 リアル生活での不全感や疎外感
抑制要因
1 健全な愛着関係
2 リアル生活での達成感や充実感
3 ストレスへの対処スキル
4 将来の目標
やはり愛着関係というのがとても大事なことがわかります。
大事な他者と適切な関係性が築けると、人的サポートを得やすい対人関係を構築しやすいと
いえます。
ゲーム・ネット依存の治療
いきなり全面カットするのは好ましくありません。
当面の治療目標は、利用を減らすことからです。
改善のために、周囲から積極的に働きかけるのは逆効果になりがちです。
本人に動き出させることが大事です。
ゲーム依存者も、実は自分の問題を何とかしようと必ず思っているそうです。
「やめたいけどやめられない」
そんな両価性をいだいているようです。
この両価性はあらゆる依存症に共通している特性のようです。
ゲームやネットを他の活動に置き換えるのも有効です。
- 塾や学校での補習
- 部活
- 友人との付き合い
- アルバイト
こういった時間を増やし、物理的にゲームやネットとの距離を取ることで、優先順位を下げていきます。
ゲーム・ネット依存の予防
治療より何よりも予防が大事です。
個人でできる予防対策があります。
- ゲーム、ネット、スマホの使用開始年齢を遅らせる
- 使用時間を短くする
- ゲームやネット以外の楽しいことや、自信をもってできることをつくる
ネットやゲームのスクリーンタイムは2~4歳で1時間未満、2歳未満は見せないことを推奨しています。
少なければ少ないほどいいようです。
代わりに本の読み聞かせや読書を推奨しています。
小中学生になったら、ゲームやネットの利用ルールは本人と決めたほうがよいです。
そして、大人は子どもがどんなゲームやネットの利用をしているかを、きちんと把握することが大事です。
子どもとのルールつくりは5つのポイントがあります。
- 使わない時間を作る
- 使っていい時間、場所、課金額などのルールをつくる。
- 子どもが実行可能なルールにする(時間制よりもワンゲーム制)
- 子どもの成長に合わせて定期的に見直す
- 紙に書いて見えるところに貼っておく
どれも重要そうですね。
時間制よりもワンゲーム制は私も納得です。
というのも時間で区切られるゲームは少ないです。
私は昔、モンスターハンターというゲームをやっていました。
1ゲーム50分という制限時間はあるものの、10分で終わるときもあれば50分丸々使うこともありました。
そんな中、急に時間で区切られておしまいにされると、なんとも区切りが悪く、まだやりたい気持ちが湧き上がってきます。
ですので、「5ゲームやったらおしまい」などにしたほうが時間よりもわかりやすかったりします。
またストレス解消方法は複数もっておくことが推奨されています。
1つだけだと依存しやすいです。
それこそ、ゲームやネットがストレス解消の手段にもなり、目的にもなってしまいます。
別の活動を必ず生活に盛り込むことが大事です。
ゲームやネットをご褒美につかうことや条件交渉に使うこともご法度です。
ゲームの代わりになること
- オンラインゲーム→オフラインゲームやカードゲーム
- 集めるのが好き→パソコンの周辺機器集め
- 乗り鉄、撮り鉄
- 運動
- 楽器(ピアノなど)
- 釣り
- 料理
- バイト
- 将来の夢に向かっての行動
オンラインゲームを少しずつなくしていくのがポイントになりそうですね。
ゲーム以外の活動の時間をどんどん増やしていきます。
意外とバイトにハマり出す人が多いみたいです。
仕事の作業がゲームみたいで楽しいという人もいるようです。
保護者や家族の対応ポイント
周囲の人の対応ポイントは、
- 「時間をかけてゆっくり」
- 「おおらかな対応」
- 「疎通をよくする」
の3点です。
まずは、依存に対する正しい理解が必要です。
本人にハマっているゲームやアプリを聞いてみて、なぜそれにハマるのか純粋に聞いてみるな
どして、本人理解に努めましょう。
また、ゲームやネットのルールについて、守ることが現実的かどうか吟味しましょう。
あまりにも周囲からの要求が大きすぎると、挫折することが多いです。
周囲のみんなが同じ対応することも大事です。
「この人なら大目にみてくれるから大丈夫」
といった甘えや油断を排除します。
みんなで一貫した対応をとることが大事です。
家族だけでの対応に困難があるならば、第三者の力を借りることもためらってはいけません。
学校の先生、スクールカウンセラー、友人など、協力してくれそうな人の力はぜひとも借りましょう。
本人には現実生活での役割を与えることが大事です。
家事の手伝いやペットの世話など、存在意義をきちんと持たせます。
小さな行動や改善でも取り上げて積極的に褒めて賞賛していきましょう。
可能な限りポジティブなコミュニケーションを心がけます。
ポジティブなコミュニケーションをするには、
- 「私」を主語にする(アイメッセージ)
- 簡潔に
- 肯定的な言葉
- 具体的な行動に対して言及する
- 思いやりのある行動をする
これらを意識していきます。
医療機関・相談機関へのいざない
「ゲーム依存だから、病院に行くよ」
といっても本人は行こうとはしません。
いろんなアプローチをする必要があります。
身体面からのアプローチ
「体のことが心配」
「健康は気になる」
話せる人がいる、友達ができるなど対人面からのアプローチ
「同じ趣味をもつ人と友達になれる」
進路や将来からのアプローチャ
「将来や進路のことを相談できる」
一時的にでも人とつながりたい欲求からのアプローチ
「ちょっと話すだけでも良い」
医療機関や相談機関へ本人を連れて行くときの注意事項がいくつかあります。
まず、受診の際には可能な限り、保護者や家族だけで受診します。
先に主治医の先生と話をしてから、本人を連れていくようにします。
主治医の先生と方針についてすりあわせることが大事です。
いきなり本人を連れていくと、方針や見通しについてぶっつけ本番で話合うことになってしま
います。
これでは十分に準備する時間がなく、アクシデントが生じるおそれがあります。
病院や相談にいっても、いきなり
「ゲームをやめろ」
といわれたり、取り上げられたりすることはないと、事前に本人に伝えていくことも大事です。
そして、保護者や家族が、医療機関や相談機関を信頼している態度をみせます。
そうすると、本人も
「信頼してもいいのかな?」
と気持ちが揺れてきます。
元々、本人もなんとかしたいと思っています。
相談先には全幅の信頼を寄せましょう。
以上、私が研修で学んできた内容です。
受講した感想は、人は現実世界でしか満たされないということです。
ゲームやネットはやっぱり虚像です。
ゲームやネットの先には、操作している人がいるかもしれませんが、わざわざバーチャルな世界を経由する必要はありません。
リアルな人とのかかわりが一番です。
ただ、現実世界での挫折やストレスが、バーチャルな世界へ向かってしまう怖さもあります。
ストレスや困難を華麗に受け流し、常に自分の好きなことや成長にだけフォーカスしつづけることも重要だと感じました。
若年層はネットやスマホの依存がメインだと思われますが、大人であってもスマホやアルコールなどの依存には細心の注意を払うべきですね。
いつでも、自分が同じ状況になるかもしれないことは自覚すべきです。
とても勉強になりました。
しろあと
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