映画『六人の嘘つきな大学生』を観てみた

日常

こんにちは。

しろあとです。

映画を観てきました。

今回、初めて映画に関することを記事にします。

観てきた映画は、『六人の嘘つきな大学生』です。

2024年11月22日の公開日当日に観ました。

以前から書店で原作小説は目にしていましたが、何となく手が伸びず。

もう私もアラサーなので、大学時代は遠い過去のことだと思ってしまい、あまり親近感が湧い

ていなかったのかもしれません。

そんな中、仕事でくたくたで疲れたある週末の日、

「今日は早く帰ろう」

と急に思い立ち、2時間早く仕事を切り上げることにしました。

なんか面白いことないかな〜とふと映画館の上映スケジュールを眺めていたら、この作品に見事出会うことができました。

あらすじも何も見ないまま、ぶっつけで鑑賞します。

あらすじ

※以下ネタバレ含みます

タイトル通り、大学生6人のストーリーです。

超有名IT企業であるスピラリンクスという会社の新卒採用選考の最終まで6人は残ります。

最終選考に残った6人はこちら。

  • 九賀(くが) 男 慶応
  • 波多野(はたの) 男 立教
  • 矢代(やしろ) 女 明治
  • 森久保(もりくぼ)男 一橋
  • 袴田(はかまだ) 男 法政
  • 嶌 早稲田

学歴だけでなくそれぞれが一芸に秀でていて、みんなハイスペ感満載です。

企業から通達された最終選考方法はグループディスカッションです。

企業が実際に抱えている経営課題について、その模擬事例を6人で検討するという課題です。

内容の出来次第では、6人全員の内定もありうると企業人事から伝えられます。

6人はここから一致団結。

企業を出ると、近くのファミレスで自己紹介と今後の作戦会議を行います。

そこで6人は、1か月後の4月25日に控えた最終選考当日まで、毎週日曜の17時に集まり、選

考対策を始めることになります。

一致団結し、飲み会までひらくようになる6人。

最強のグループディスカッションができるものだと全員が確信し始めます。

そんな矢先、企業から一通のメールが6人全員に届きます。

そのメールの内容は、

「経営方針の転換に伴い、採用を1名に絞る」

「グループディスカッションの課題は、6人の中から最も内定にふさわしいと思う人を1名選ぶ」

「選ばれた1名のみ内定とする」

とのこと。

これを知った6人は、そのまま最終選考日を迎えます。

グループディスカッションが始まると、1名の選び方を多数決で決めることに。

制限時間は90分です。

6人は15分おきに投票タイムを設け、自分以外の1名をそれぞれ選択していき、最終投票時に

もっとも得票数の多かった人物を内定者に決めることで合意します。

ホワイトボードに全員分の名前を書き、その下に「正」の字で得票数をカウントしていきます。

匿名方式ではないため、誰が何票獲得したか、誰が誰に入れたのかなどが筒抜けです。

第1回目の投票結果は、6人の中でも特にリーダーシップや一芸に秀でた人物が票を得ます。

そんななか、1票も入らなかった者もあらわれます。

ここで事態が急変。

ある1人が会議室の隅に置かれた封筒を発見します。

中をのぞいてみると、さらに6通の封筒が入っています。

それぞれの封筒の宛名は、

「九賀用」

のように、6人の名前になっています。

6人はとりあえず1通を明けてみることに。

その中には、袴田が過去に犯した悪行が書かれていました。

地元の高校野球部でキャプテンを務めていた袴田は、部員をいじめ自殺に追いやった加害者

であると、封筒の手紙で暴露されます。

この事態に対して、特に矢代は袴田を軽蔑し、説明を求めます。

5人の中には、袴田を擁護する声も出てきます。

しかし、今行われているのは最終選考。

暴露が投票に影響しないわけがありません。

やはり2回目の投票で、袴田に入れる人はいませんでした。

この事態に焦りや怒りを覚えた袴田。

自分だけ不利な状況に置かれた不満をぶちまけ、全員の封筒の開封を主張します。

それは無意味だと退ける者もいれば、ある意味公平な扱いになると賛同する者もいる。

そういった極限状態の中、次の封筒にも手を伸ばし、それぞれの過去が暴かれていくのです。

九賀は、妊娠中絶させた交際相手を捨てた。

矢代は、キャバクラ勤務。

森久保は、マルチ商法勧誘。

波多野は、未成年飲酒。

程度の差こそあれ、それぞれの過去の悪行が暴かれていきます。

これは、ここにいる6人の誰かが他の志望者を陥れるために仕組んだ罠であると、全員は結論づけます。

また、それぞれの封筒の暴露文には、証拠となる写真が添えられていました。

その写真にはどれも同じ場所に同じようなノイズが映りこんでおり、同一人物が同一のカメラで撮影したのではないかと推測します。

そして、九賀、矢代、森久保の写真はどれも4月20日に撮られたものだと判明。

さっそく6人は4月20日の予定を確認。

ゼミ、企業の採用面接など、それぞれがアリバイの存在とその証人を声高に主張します。

ただ、波多野だけは4月20日に何も予定が入っていない

疑念が一気に波多野に向きます。

自身の悪行が未成年飲酒という比較的軽微であったことも、得票への影響が少ないという理

由で疑いを加速させます。

最後まで封筒を開けることに反対し、みんなのどんな悪行にも擁護してきた波多野。

ついに、自分が犯人だと自白します。

波多野は採用方法が変更になったことに伴い、自分以外の悪行を暴露しようと企てたのです。

しかし、嶌の悪行だけはどんなに探しても見つからなかったとのこと。

いよいよ最終投票の時がきます。

嶌は唯一暴露がなかった為に5票が入り、合計でも最大票を獲得。

採用内定者は、嶌に決定します。

その8年後。

スピラリンクスで活躍する嶌。

ある日、嶌のもとに女性の来訪者があらわれます

その女性とは、波多野の妹だと名乗ります。

なんと波多野はすでに亡くなっているとのこと。

病死だそうです。

波多野の遺品を整理していると、あの日の最終選考に関するメモや記録媒体などが見つかっ

たとのことで、その内容を頼りに嶌にたどり着いたとのことでした。

妹は波多野があれほどまでに真剣だったあの時期、何があったのか知りたい一心です。

嶌は遺品を一度預かることに。

自宅で記憶媒体を起動すると、音声ファイルが一つ。

しかしパスワードがかかっています。

パスワードの入力チャンスは3回だけです。

しかし、ヒントが添えられています。

「ヒント:犯人が愛したもの」

当時、6人がなんとしてでも勝ち取りたかったスピラリンクスの内定だと考え、スピラリンクスと入力。

エラー。

波多野が学生時代、活動していた散歩サークル名を入力。

エラー。

謎が深まるばかりです。

一方、嶌は自分の採用選考時のカメラをチェックしたりなど、試行錯誤しながら推理に推理を重ね、犯人が波多野ではないこと、真犯人が別にいることを突き止めます。

ここで嶌は8年ぶりに波多野以外の4人をスピラリンクスに呼び出します。

それぞれ、起業、外資系企業勤務など、華々しい経歴で立派な人物になっていました。

嶌は、推理をさっそく推理を披露。

採用選考時のカメラをみると、矢代と森久保が自身の暴露文を取り出した瞬間、素早く封筒を隠している動作を指摘します。

当時、4月20日に同一人物が同一カメラでそれぞれの暴露文に添えられた写真を撮ったとのことでした。

しかし、九賀は慶応の藤沢キャンパスでゼミ、森久保は国立の一橋大学で勧誘活動、矢代は錦糸町でキャバクラ勤務。

それぞれの時刻と距離を考えると、同日中にすべてを撮影するのは不可能だと嶌は突き止めます。

そうすると、矢代と森久保は白状

封筒には小さく

「日時は4月20日だといえ。いわなければこの写真をバラまく」

と書かれて脅されていたのです。

このようにして、4月20日に何も予定がない波多野が犯人に仕立てあげられたことが判明します。

また、嶌は波多野の暴露文に添えられた写真の違和感について語ります。

波多野の写真はかなり解像度が低く、ぼんやりとしか見えていません。

嶌は波多野の散歩サークルを調べた際、バックナンバーから波多野の写真をいくつか発見していました。

その中には、波多野の暴露に使われた写真もありました。

しかし、もっと鮮明な写真で未成年飲酒をしている写真もあったのです。

犯人は、これがお酒であることに気が付かなかった人物だと推理。

6人の飲み会で、唯一お酒が飲めなかった人物、真犯人は九賀であると嶌は指摘します。

九賀は、たかがお酒が飲めないだけで犯人扱いされるなんて、

「フェアじゃない」

と主張。

その瞬間、嶌はひらめき、音声ファイルのパスワードに、九賀の口癖であった『フェア』を入力。

ロックが解除され、波多野の声が流れます。

そこには、犯人だとまつりあげられた波多野の苦悩、そして、復讐すべく波多野が行った5人に関する身辺調査の内容が語られていました。

とんでもない暴露が語られるかと思ったが、調査の結果わかったのは5人の良い面ばかり。

袴田はいじめ加害者ではなく、別にいた加害者を学校に告発したところ、加害者が自殺を図ったこと。

九賀の元交際相手からは、お互い納得、同意の上で決断したこと。

矢代は母子家庭で稼ぐ必要があったこと、経済困窮のため過去にいじめ被害にあっていたこと。

森久保は大学構内で行われていた活動がマルチ商法であることにいち早く気が付き、悪事を

大学事務局に通告していたこと。

そして、音声上の波多野も嶌と同様、九賀が真犯人であると指摘します。

九賀の身辺調査中、九賀が崇拝ともいえるレベルで尊敬していた先輩がいました。

その先輩は、スピラリンクスの2次審査で落とされてしまいました。

あれほど有能だった先輩を落とした企業、人事に対して、九賀は憤りを覚えます。

どんな人間が人事をしているのか、冷やかしや復讐の意味もこめて九賀自身が志望者として

スピラリンクスを受けると、あれよあれよと最終選考までたどりついたのです。

「やっぱり人事は無能だ」

「人のことをまるでわかっていない」

と九賀は確信します。

ある意味、九賀は愉快犯です。

スピラリンクスのエース社員になった嶌は、人事面接を担当するよう上層部から通達されます。

今日も、就活生を相手に面接をするのでした。

鑑賞後所感

とてもおもしろかったです。

ミステリー要素もあり、誰が犯人なのか最後の最後までわかりませんでした。

最初はスピラリンクスが黒幕で、ありとあらゆる手で学生らを翻弄して、新卒一括採用や就職活動の無意味さや不条理などを明らかにするストーリーなのかなと思って観てました。

思いのほか、企業側はまったくといっていいほど学生ら6人に関与していませんでしたね。

また、6人の演技がどれも一級品で上手い

就活生特有のフレッシュさと自信過剰さがとてもリアルに表現されています。

特に、封筒を開けて悪事が暴露されていくときの振る舞いや言動、取り乱し方など迫真にせま

るものがあります。

当初、理性的だった6人。

よそ行きの振る舞いをしていたのが、だんだんと砕けた感じになっていき、どんどん本性をあらわしていく。

このグラデーションがとてもきれいに表現されていました。

まさに就職活動の実態をあわらわしていたのではないでしょうか。

表面上はいくらでも取りつくれますし、嘘と相違ないカバーストーリーで自身を脚色している就活生の本性はなかなか暴けません。

やはり、自分の人生がかかった極限状態、何かを失うかもしれないという崖っぷちでしか、人

の本性はわからないのだと感じました。

やや疑問だったのが、真犯人である九賀の動機です。

おそらく自身が尊敬する先輩の敵討ち的な感じで行ったのでしょうが、にしても動機が弱い気がします。

自分が採用されて、スピラリンクスの悪事を暴くにしてもコスパが悪い気がします。

もともとその先輩と起業する予定もあったみたいですから、彼にとっては就職活動自体が茶

番であり、冷やかし的要素が強かったのかもしれません。

原作だとそのあたりがもっと詳細に描かれているかもしれませんね。

そして序盤に描かれた6人が一致団結し、グループディスカッションを突破しようと努力する姿がキラキラしすぎて何ともまぶしい。

個人的な話ですが、私は学生時代にまともに就職活動をしていません

卒業ギリギリで始めたこともあって、1か月でテキトーに決めました。

当時は自分なりにまともに就活したつもりでしたが、今考えるとかなり残念な就活だったといわざるをえません。

そういった自身のバックグラウンドと比較すると、もう6人がキラキラと輝きすぎている。

6人全員がMARCH以上で課外活動にも積極的。

キャンパスライフを十分に謳歌し、時期が来たらこれまでの経歴や実力を引っ提げて優良企業を目指す。

正直、めちゃくちゃうらやましい!

私もこんなキャンパスライフを送りたかったです。

高校はまともに勉強しなかったわりに、大学進学だけはとりあえずしてみる。

大学生らしい体験は特にすることなく、そのまま就職する。

今考えたらもっと有意義に使えた時間があったなあと思います。

劇中の6人がキラキラすぎて、途中で体調が悪くなってきました(笑)

作品全体を通して、最初から最後までドキドキとワクワクが続く楽しい映画でした。

機会があったら、原作小説にもチャレンジしたいです。

しろあと

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