元塾講師が教える勉強法【国語編】

思考・習慣

こんにちは。

しろあとです。

実は私、学生時代から通算して6年間ほど塾講師をしていました。

全国に教室がある個別指導塾です。

生徒数もかなりの数がいました。

教えていた科目は5教科すべて、対象は5~19歳まで幅広く担当していました。

私が働いていた塾は、頭のよい子をさらに伸ばすというよりも、偏差値40くらいの子を50や60に乗せるということが中心でした。

もちろん偏差値70レベルの子も数えるくらいはいましたが、それよりも圧倒的にできない子が多い。

偏差値30台もざらにいましたし、不登校の子、中3で掛け算が危うい子など、本当にバリエー ションに富んでいました。

今回は、そんな元塾講師の私が、成績を伸ばす勉強法や心構えについて語っていきます。

対象は小学校高学年~高校生くらいを対象とします。

まずは国語編からです。

国語の勉強かするべきか?しないべきか?

「普段、日本語をしゃべっているから国語の勉強はいらない」

そんなことをいう人が一定数います。

生徒の中にもそういう考えをもっている子がいました。

結論、国語の勉強は絶対に必要です。

国語は文章を正確に読む力、いわゆる読解力を試す課題です。

文章を正確に読み取る力は、その他科目の基礎にもなる力です。

問題文がきちんと読めていないと、問題の前提や条件を正確に把握することができません。

勘違いや読み間違いなどが生じてしまうと、せっかく正しい公式や解法を用いても正解にたどりつけないなんてことがあります。

ですので、国語の勉強は必要なのです。

ここまでは正直、一般的によくいわれていることです。

私が国語の勉強を大事だと思っている理由はほかにもあります。

それは、

「文章を読む量を増やして、読むという行為の負担をなくす」

「読むスピードを上げて勉強時間を短縮し、質のよい勉強をする」

この2点です。

文章を読む量を増やして、読むという行為の負担をなくす

そもそも子どもは文字を読むのが嫌いです。

とにかく読むのが苦痛です。

学習障害(読字障害)というわけではなく、読もうと思えば読めるのですが気力が湧かない。

そんな子が本当に多いです。

10人いたら7人は文字嫌い、文章嫌いといった体感です。

ページ一面に広がる文字を見て、それだけで勉強が嫌になるのです。

読むという行為に対して、ハードルが異常に高いのです。

読むだけで相当な集中力と気力を要し、少し読んだだけですぐに疲れてしまいます。

だから勉強しない子が、必ずしも勉強が嫌いというわけではありません。

勉強嫌いというより、文字嫌いというほうが正確です。

そういった子への支援としては、

・まず簡単な文章を大量に読ませる

・読んだ文章を口頭で説明させる

という手順が有効です。

大量の文章を読ませることでインプット力と文字に対する苦手意識を克服します。

とにかく文字を読む。

質よりも量を最重視します。

文字の羅列に圧倒されないように、簡単な文章をたくさん読む。

これだけである程度、文字嫌いは克服できます。

そして、読んだ文章を本人に説明させます。

アウトプットしてもらうのです。

たとえば、

「重篤な熱中症の症状があれば、速やかに医療機関を受診するべき」

という文章があります。

まずはこの文章を黙読あるいは音読で読みます。

詰まらずにスラスラ読めたら、この文章を別の言い方で表現します。

「重い熱中症の状態になったら、早めに病院に行ったほうがいい」

このように、より平易な文章に置き換えてみます。

ここまでやって初めて脳内に文章のイメージができあがり、理解に至るのです。

文字ばかり追って読めるようになっても、それが必ずしも理解したとは言い切れません。

大量の文章をインプットし、それを自分で工夫してアウトプットすることが大事です。

読むスピードを上げて勉強時間を短縮し、質のよい勉強をする

ダラダラと勉強するのは、大人も子どもも大嫌いです。

どうせやるなら短時間で効率よく、疲れ知らずて一気に勉強してしまいたいもの。

子どもの中には、読むのが遅くダラダラ勉強してしまい、そのまま疲れてしまって全然進まない子がたくさんいます。

「読む=時間がかかるもの」

「時間がかかる=面倒くさい」

という方程式ができあがってしまい、そもそも文章をきちんと読まずに問題を解き始めてしまうことも多々あります。

ここでも「簡単な文章を大量に読む」が有効な対策になります。

何度も同じ行為を繰り返すと、人はスピードが上がっていきます。

読解スピードも同じように向上していくことが期待できます。

文字を読むスピードがあがれば、文章全体の読破にかかる時間が短縮され、本人の負担の軽減につながります。

そうすれば、別の文章を新しく読んで勉強する時間が増えます。

別の科目の勉強をする時間も生まれてきます。

漢字の習得

大量に文章を読もうと思っても、語彙が備わっていなければスラスラと読むことができません。

文章を多読するのと同時並行で、漢字の練習が大事です。

コツは 、

(1)漢字単体ではなく、熟語で覚える

(2)漢字を眺めるだけでなく、書き取り練習する

(3)熟語の意味もあわせて覚える

この3点です。

まず漢字は単体で覚えるのではなく、熟語で覚えます。

熟語ならば、普段使う機会があるからです。

日常で使うイメージがあれば、より身近に感じて覚えやすくなります。

1文字で覚えても、いつ使うべき漢字かいまいちピンとこないので、すぐ忘れてしまいます。

そして、書き練習をすること。

書くと記憶の定着が良くなります。

自分で手を動かすことで、五感をつかって覚えることができます。

一般的に五感を用いれば用いるほど記憶に定着しやすくなるといわれています。

漢字は読みも書きもテストで出題されるので、その対策にもなります。

さらに、熟語の意味を合わせて覚えます。

文章をより平易な文章に置き換えて表現するときの、バリエーションが増えます。

単純に語彙も増えていくので、記述問題の基礎にもなります。

主語と述語を見つける

文章を大量に読んで、読むという行為への苦手意識がなくなり、漢字の書き取りで語彙が増えてきたら、より細かく文章を読解していくフェーズに入ります。

まずは、主語と述語をいち早く見つける練習をしましょう。

1つの文を見たときに、その文の主語は何なのか?

つまり、主役は誰なのか、何なのかを見つけます。

これが見つけられないと、正確な文章読解はできません。

主語が見つかったら、次は述語を探します。

主語がどうしたのか、主語が何をしたのか、の部分にあたる箇所です。

主語と述語さえ明らかにできれば、なんとなくの文意はつかめます。

国語が苦手なのは読む量が不足しているから

日本語で普段やりとりしている我々は、国語の勉強が不足しているという事実を見逃しがちです。

国語で点数が取れないと、自分の勉強不足ではなく、

「問題が悪かった」

「自分はバカだから」

といった具合に、外部に原因を求めるか、自分の内的素質に原因を求めがちです。

そうではなく、後天的な努力、つまりは圧倒的な文章読解量に原因を求めるべきです。

これが数学や社会といった別教科であれば、解き方がわからなかった、暗記量が足りなかったと振り返えることができるのに、国語になるとなぜかその視点が抜けてしまうのです。

現代は、若者の読書離れ、マンガ離れが叫ばれています。

とにかく活字を読むという絶対的な量が足りていません。

多読に多読を重ね、読むというハードル下げて負担を減らし、読むスピードを上げて効率アップを目指す必要があります。

古典を捨てない

古文、漢文は得点源にしやすいです。

ただ得点源にするには、現代文を正確に読む力が前提として必要になります。

優先順位としては古典よりも、現代文を先に取り組むべきです。

現代文である程度得点できるようになれば、古典に取りかかります。

古典は読解よりも暗記を優先

古典学習のポイントは、単語、文法や句形/句法の丸暗記です。

暗記することなく、文章の多読に取りかかっても理解不能なことが多いのでおすすめしません。

現代文ならば、現代で用いられている日本語なのでなんとなく読むことができますが、古典については、外国語のようにみえてしまうので、全く何もわからないなんてことになりがちです。

そういうわけで、まずは古典ならではの単語、文法、句形を、簡単なものから例文まるごと暗記してしまいましょう。

ある程度、古典単語や文法がすぐ頭に思いつくようになったら、読解の練習を本格始動させます。

古典でもまずは、多読から。

とにかく量が足りていません。

大量に文章を読み込むことを目標にして学習を進めていきましょう。

国語が伸びれば他教科も伸びる

文章を読むのは他の教科でも必ずすることです。

読解力が伸びれば、他の教科の問題もより正確に素早く読むことができます。

それが可能になれば、もっと多くの問題を読んで解くことができる、時間不足にならずに済む、見直しの時間が増えるなど、いいことづくめです。

まずは毎日国語の勉強をすることから始めてみてはいかがでしょうか?

しろあと

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