東京地方裁判所で裁判傍聴してきた

日常

こんにちは。

しろあとです。

今回は私のやりたいことリスト100を消化できた話です。

まあ100といいつつ、いろいろ積み重なって140くらいのなっているのですが(笑)

この度、ずっとやりたいと思っていた裁判傍聴に行ってきました。

実は大学時代から法学に対する興味がそこそこありました。

法学部ではなかったのですが、教養科目は法律系の単位を取りましたし、法学検定も取った記憶があります。

やはり生活していくにあたって、法律は絶対念頭に置く必要があるものでしたので、学ぶ意欲が当時からありました。

ネットや口コミで

「裁判傍聴がおもしろい」

なんて書き込みを目にするたびにいつか行こうと思っていましたが、中々行動に移すことがないまま3~4年は経ってしまいました。

行く決め手になったのは、自宅が漏水しカーペットが汚損したことで管理会社や区分所有者とトラブったことです。

本件についてはまだ解決していません。

長引けは法的措置も当然のことながら入ってくると思われるため、改めて法について関心を持つ必要性に迫られました。

東京地方裁判所

日本は三審制です。

地方裁判所→高等裁判所→最高裁判所というように、3回チャンスがあるとされています。

東京だと霞が関に裁判所がギュッと集まっています。

まず裁判所に行くには、東京メトロの霞が関駅で降りて、A1出口を出ます。

A1出口を出るとすぐ左手に裁判所があります。

ちなみに建物に入るには手荷物検査を受け、金属探知機をくぐり抜けるなど厳重なチェックがあります。

さながら空港の保安検査のようです。

入ってすぐのところに開廷一覧を閲覧する備え付けタブレットがあります。

私はてっきり、紙媒体で開廷一覧が見れると思っていましたが、今は電子化されているようです。

撮影は禁止されているため、みな必死にノートに手書きでお目当ての裁判情報をメモしていま す。

私もさっそく開廷一覧をみて、興味がありそうな裁判をいくつか見繕っていきます。

開廷一覧

多いのか少ないのかわかりませんが、私が訪れた日の地裁刑事事件は32件でした。

一覧を見ていると、法廷の番号、罪状、被告人、裁判官、裁判員制度適用か否かなども一目でわかるようになっています。

地裁民事や高等刑事、高等民事も閲覧できました。

時間は一番早くて9:50のスタートで、遅いものは16:30スタートです。

17時には終わるスケジュールみたいですね。

私は手始めに10時開廷予定の詐欺、強盗幇助など、いろいろな罪状が合わさった裁判の審理を傍聴することにしました。

傍聴席

法廷は15分前くらいになると開きます。

一見すると中の様子が見えなくて重そうな扉にみえるため、入っていいかどうかためらわれるのですが、「開廷中」と案内が出ていれば入って大丈夫です。

入るとすでに半分以上の席が埋まっていました。

私は大人しく奥の席に座って始まるのを待ちます。

ちなみに傍聴席は電子媒体一切禁止です。

録画録音はもちろん、スマホも出してはいけません。

それゆえみんなメモやノートを持参し、必死に記録をとっています。

帽子も外す必要があります。

法廷内にはすでに関係者が集まっていました。

右手に検察官3名、その後ろにはテキストやポケット六法を広げた4人の人、左手には弁護人が2名、中央下段には書記官がいました。

しばらくすると、検察官が座っている脇から縄に括りつけられた被告人が出てきます。

警備員らしき2名に連れられて弁護人側の席に座ります。

時間ちょうどになると、裁判官が袖から登場します。

その瞬間、法廷内全員が起立します。

すると裁判官が軽くお辞儀をし、それに呼応するように全員お辞儀します。

初見だと、だいぶびっくりします。

ただそんな仰々しいものでもなく、軽く流れに乗って行うので、周りを見ていればなんとなく対応できます。

お辞儀したらすぐに全員座ります。

傍聴席は立ち見不可ですので、座席数に応じて傍聴上限人数も決まります。

法廷の大きさによって、20~40人前後といったところです。

しばらくすると、別の裁判官と少しカジュアルな格好をした人たち数人が袖から登場します。

この時も全員起立しお辞儀です。

この裁判は裁判員制度適応なので、おそらくその人たちでしょう。

裁判官2名と裁判員6名くらいが一斉に入ってきました。

詐欺と強盗幇助

さっそく裁判が始まりました。

本件は1日かけて審理をするようです。

ちなみに話を聞いていると、前日も審理していたようです。

罪状は詐欺と強盗幇助がメインですが、このほかにもありとあらゆる罪状がついていました。

幇助とは、手助けをしたということですね。

概要は、SNSで闇バイトを請け負い、地方で高齢者からキャッシュカードや現金等を詐取し、ま た金庫を破壊する目的でホームセンターにて刃物、ハンマー、テープなどの購入を請け負った、 というものです。

まずはしばらくの間、検察官による質問が繰り返されます。

被告人が証言するときは、中央の証言台で起立または着席した状態で行っていました。

カメラやマイクもあるため、検察官や弁護人からの質問が横から飛んできますが、正面を向いて話すように、最初裁判官から説明があります。

さらに、黙秘権があること、完全黙秘もできること、ただ証言したことは有利不利を問わずれっきとした証拠になることなどが裁判官から告げられます。

印象的だったのは検察官が被告人に質問する際、話がめちゃくちゃ飛ぶことです。

大筋は詐欺や強盗についての話なんですが、

「この質問、事件と関係ある?」

みたいな質問がたまにあります。

被告人ははきはきとしゃべるものの、ところどころ記憶が曖昧で覚えてないと発言していました。

しっかりしている印象でしたが、一方で妙に丁寧な敬語を多用するなど怪しさもありました。

詐欺についてはいわゆる特殊詐欺の出し子受け子に加担したようです。

SNSで「即日即金」を検索し、募集していたアカウントユーザーとつながって実行したようです。

ちなみに受け子出し子は、その頭文字をとって隠語で、「UD(ユーディー)」といわれるみたいです。

被告人は40歳手前で既婚者、1年前に仕事をやめたようで、全財産が5万円ほどだったようです。

この件だけでなく、傍聴したすべての裁判にも共通しますが、やっぱりすべては金がらみなんですよね。

また強盗幇助については、リーダー役から必要物品をホームセンターで買うように指示を受けたようです。

千葉県のホームセンターで購入後、東京駅に移動してコインロッカーに保管したとのことです。

これら物品が金庫破壊に目的で使われたのではないかというものです。

印象的だったのは物品の中にしゃもじが入っていたことです。

このしゃもじがカモフラージュ目的で使われたのではないかというのが一つ話題に上がっていました。

検察官は被告人に対して、その点をかなり突っ込んでいました。

「普段料理はするのか?」

「購入金はいくらだったか?」

「100均で買えばよくない?」

「しゃもじは家のどこに保管してる?」

「このタイミングで買うの変じゃない?」

簡単にいえばこんなことを聞いていました。

この審理は9~17時と1日がかりでした。

ところどころ休廷して25分くらいの空き時間がありました。

かなりこの後の展開が気にもなりましたが、私は午前中だけ傍聴しました。

午前中だけ見た感じですと、受け子のほうは罪を認めて、強盗幇助については否認するような立ち回りでした。

ランチ

虎ノ門に近かったため、そっち方面でランチを取ろうかと考えていましたが、せっかくなので裁判所内のお店でランチをすることに決めました。

地下のそば屋さんに訪れます。

価格帯はまあ一般的なそば屋と変わりません。

注文したのは天もりそばです。

味は可もなく不可もなく。

公的機関の食堂ってこんなもんですよね。

私立大学の学食とかは美味いイメージがありますが。

覚せい剤取締法違反

ランチを終え、ロビーでダラダラしていると午後からの別の裁判が始まります。

罪状は覚せい剤取締法違反です。

被告人が2名の連名であり、苗字が同じだったのが気になって傍聴することにしました。

概要はともに40歳手前の夫婦(離婚成立しているが、同居している事実上の夫婦)が覚せい剤を使用して性行為を行ったというものです。

男は丸坊主で体格がいいほう、ハーフっぽい顔立ちの無職で、過去に3回の暴行傷害で前科ありです。

女はレンズの大きい丸縁メガネをかけている色白肌が特徴で、一見すると中国人にみえなくもない感じがしますが日本語をしゃべっており、仕事は風俗嬢を過去にしていた無職です。

起訴状によると、男は新宿歌舞伎町のゴールデン街にて外国人から覚せい剤1.5gを購入し、女との性交渉において媚薬と称して女の肛門に注入し、また自身も使用したものというものです。

女の尿から該当物質が検出されており、家宅捜索でも覚せい剤と注射器が発見されています。

とても印象的だったのが、男のしゃべり方がとてつもなく幼い、というか外国人のような喋り方でたどたどしいのです。

生まれは大阪らしいですが、在日人なのか、帰国子女なのか、知的障害や発達障害なのか、はたまた外国人なのかわかりませんが、とにかく日本語が下手です。

一方、女は最初から最後まで被害者ムーブを取ります。

拘留はされておらず普段通りの生活を送っていたため罪の意識が薄い可能性もありましたが、

  • 「男にいわれて断れなかった」
  • 「クスリの効果を感じなかったから悪いものだと思わなかった」
  • 「男には病院にいってほしい」

など、このほかにもいろいろ言っていましたが、当事者意識は薄い印象です。

もっとも印象的だったのは、裁判官がとてもいい人であり、検察官も厳しいながらいい人だったことです。

裁判官は40歳前後だと思いますが若く見え、ハキハキと丁寧な口調でしゃべるなど温かみがありました。

検察官は50代半ばくらいの方で、もう覚せい剤はやらないと主張する被告人らに対して説教をしていました。

  • 「意思が弱いからではない」
  • 「離脱症状が必ずあり、やらないと決めてもやってしまう」
  • 「頭にチラついてから病院ではなく、すぐに病院にいって専門治療を受けるべき」

これらを5分ちょっとの間、被告人らに言い伝えていました。

これを受けて裁判官も同意を示し、被告人らに同様に伝えていました。

一見すると小学校の保健体育か道徳の授業のような、至極当たり前の決してレベルの高くない話でした。

ただ裁判官や検察官に対してとっつきにくいイメージを私はもっていたので、ちゃんと血の通った人間味を感じられたのが意外に思えました。

一方、問題だったのは弁護人側です。

男の弁護人はジジイ、女の弁護人はポロシャツで垢抜けていない茶髪メガネでした。

こいつらの被告人質問は、正直いって痛々しかったですね。

発言はたどたどしく演技めいていて、内容も誘導めいたものばかりでした。

弁護士は裁判官、検察官に比べて人数が多いため、その質もピンキリなんだと感じました。

証拠調べや被告人証言などを終えたら、裁判官は量刑を決めるために時間が欲しいとのことで、後日判決となります。

そこで裁判官、検察官、弁護人2名で、その場で急に日程調整が始まりました。

みんなスケジュール手帳を取り出して、何日はダメ、何時はダメなどと、まるで遊ぶ予定を確認するかのようにフランクな感じで調整し始めます。

なんか腑抜けた感じでした(笑)

詐欺罪の拘留理由開示

次の裁判は小さな法廷でした。

事件概要は40歳手前の元暴力団員が特殊詐欺をはたらいたため、拘留する必要があることを知らせるものでした。

この事案はいろんな意味で記憶に残りました。

まず被疑者はいかにも暴力団上がり、チンピラ、半グレといった風貌です。

小太りでモテなそうな短髪の中年男、腕には和彫りががっつり入り、風を切るような歩き方で周囲をキョロキョロとうかがいながら入廷してきました。

ところで実は開廷前、若くてそこそこ容姿端麗な女と若い男が法廷前で打ち合わせしているのを私は耳にしました。

男はどうやら弁護士のようで、女性はどういうわけか本件について興味津々に弁護士に聞いています。

男の口からは、

  • 「悪い言い方すると、正直わりに合わないですよ」
  • 「被疑者は無罪を主張するでしょう」

などといっているのが聞こえました。

そして2人して法廷内に入っていきました。

その後に私も入りましたが、男は弁護人席に座り、女は傍聴席の一番弁護人に近いところに座っていました。

そこから被疑者が入廷してきたのです。

しかし被疑者の男の様子がおかしい。

しきりに若い女をちらちら見るのです。

そして女の口から

「いかつっ」

と一言。

その言葉を私は聞き逃しませんでした。

被疑者とこの女は、なにかしらの関係があるようです。

被疑者が着席した後も、被疑者は身体をのけぞるようにしてわざわざ傍聴席にいる女を見ようとします。

そこで裁判官から

「あまり見ずに前を向いてくださいね」

と注意を受けていました。

被疑者とこの女の関係が気になるところです。

異父きょうだいなのか、付き合っているのか、元交際相手だったのか、詐欺被害者の1人なのか。

あまりにも2人が真逆の属性すぎて記憶に残りました。

恐喝未遂と傷害

ついにこの日最後の傍聴になりました。

最後は職場で起こったトラブルから、恐喝と傷害にまで発展した事案です。

こちらも被告人は2名いました。

1人は40歳手前、もう1人は60歳手前の男です。

2人ともトラック運転手で、居住地は北関東、風貌はきょうだいかと思うくらいそっくりです。

事件概要は同じトラック配送会社に勤める被告人2名が、同僚を脅して200万円くらいを脅し取ろうとしたものです。

被害者である42歳の同僚が、被告人のうちの1人から私用車を借りたのですが、車内でたばこを吸わないように伝えていたのにもかかわらず吸ってしまったことが事件の発端です。

被告人の2人は結託して、被害者から金銭を巻き上げるようにあの手この手でたたみかけます。

最終的に被害者が警察に相談したことで事件が発覚しました。

事案自体はまあドラマや小説でもあるような感じなのですが、胸くそ悪さを覚えた点が一つあります。

それは裁判後、40歳手前の被告人の家族と思わしき嫁と娘が、傍聴席から被告人に手で合図し、 嫁が「待ってる」と小声でいったことです。

被告人一家はなぜか皆、にやけているような表情。

真剣みや深刻さが全く感じられません。

攻撃性や暴力性を備えた反社会的な人間に限って、嫁や子どもがいるものです。

一方で真面目に誠実に生きてきた人間に限って、孤独にさいなまれ苦しんでいくのが、現代日本には散見されるように思うのです。

裁判の場を面会の場と勘違いしているような被告人一家の痛さが、もう見ていられませんでした。

まとめ

以上が私のはじめての裁判傍聴の1日です。

傍聴してみた感想は、

「めっちゃ楽しい」

この一言に尽きます。

小説やドラマよりも、ずっとドラマティックで思うところがたくさんありました。

一方で自分の身の回りには、いつもとんでもない人間が潜んでおり、大小問わずいろんな犯罪が常に起こっているのだと思いました。

起訴状読み上げの段階で、自分がよく訪れるエリアやよく知っているお店などがたくさん出てくるのです。

自分もその場に居合わせていたかもしれないことを想像すると、ぞっとします。

自分の身は自分で守ることや、法律に関してもっと興味を持ち、アンテナを高く張ることに気がつかされた経験になりました。

きっと近いうちに、再び裁判傍聴すると思います。

子どもからお年寄りまで幅広い年代の人が傍聴しています。

法学部生らしき人もたくさん見かけました。

想像よりもハードルはずっと低いので、機会があればぜひ傍聴してみることをおすすめします。

しろあと

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